農地は農産物を生産する機能だけでなく，生物多様性を維持する機能も有している．
特に農地の辺縁部は，管理・土地利用・景観構造などの違いを反映した複雑で多様な生態系であり（LeCoeuretal.2002;Tscharntkeetal.2005），このうち半自然草原には多くの生物が生息している（LeCoeuretal.2002;Grashof-Bokdam&vanLangevelde2005）．
例えば，ヨーロッパでは農地の辺縁部はfieldmargin,fieldedge,fieldbaundaryなどとよばれ，種多様性の高さ（Kleijnetal.2001;Batáryetal.2012）や生物の逃避場所としての重要性（Marshall&Moonen2002;Smartetal.2002）が指摘されている．
しかし，農村景観における生物多様性は，土地利用の変化や耕作放棄などによって，世界各地で減少している（Tilmanetal.2001;Foleyetal.2005）．
日本においては水田の辺縁部として畦畔があり，畦畔に成立する半自然草原は生物の生息場所として重要である（丑丸2012）．
2011年における日本全体の水田畦畔の面積は約14万haであり（総務省の政府統計の総合窓口，本最大とされる阿蘇の草原面積約2.3万haの約6倍にあたる．
主に採草地として維持されてきた山地の半自然草原の面積は減少しており（氷見山ほか1995），畦畔の半自然草原は草原生生物の多様性維持にとってさらに重要性が高くなると考えられる．
しかし，圃場整備や耕作放棄の影響を受けて，日本の水田畦畔に成立する半自然草原の種多様性は低下するとともに，種組成は急激に変化している（丑丸2012）．
このような水田の畦畔は1990年代に入るまでは植生調査の対象とされることは少なかった．
大縮尺の植生図でない限り畦畔は水田に含められ，単独で調査されることはほとんどなかった．
そのため，他の植生と比べて情報が十分とはいえない．
また，これまで畦畔に成立する半自然草原に関する研究は個別的なものがほとんどで，これらを生物多様性保全の観点からまとめた総説はみあたらない．
本稿の目的は，日本における水田畦畔に成立する半自然草原に焦点をあて，これまでの知見をまとめること，畦畔に成立する半自然草原の種多様性の維持機構に関する仮説を整理し，それらがどの程度明らかにされたかおよび畦畔に成立する半自然草原について今後の研究の方向性を示すこと，さらに，過去から現在への変化，現在における問題点，保全策を提示することである．
水田畦畔に関わる生態学的研究をはじめその周辺分野を網羅的に捉える点が本稿の特徴であるが，畦畔以外の半自然草原や農村地域の生物多様性保全を主な目的とした総説（高橋・内藤1997;深町2000;大窪2002;大澤・一ノ瀬2008;畠瀬2010;楠本ほか2010）および畦畔に成立する半自然草原に関する普及書（丑丸2012）と重複する部分がある．
本稿では社会的要因や人為的要因に関して比較的多く記述している．
人為的環境下にある畦畔の半自然草原を理解するには，これらの理解が不可欠なためである．
本稿ではまず畦畔に成立する半自然草原の概要を把握するために，畦畔の構造および畦畔の半自然草原の研究史をまとめる．
次に，水田畦畔の半自然草原を保全するための基礎として，畦畔に成立する半自然草原を保全する意義および種多様性の維持に関する仮説を整理し，仮説に関わる要因について検討する．
その後，耕作放棄や圃場整備が種多様性に及ぼす影響およびその保全策を述べる．
最後に，調査・解析方法の課題とともに，畦畔に成立する半自然草原に関する保全と研究の展望について述べる．
なお，本稿では野生植物の和名は佐竹ほか編（1981,1982a,b,1989a,b）および岩槻（1992）に従い，これらに掲載されていないものは北村・村田（1979）に従った．
畦畔は，水を保持するために水田を取り巻いて設置される堤であり，水田の管理や資材の運搬などの通行を目的としても利用されている．
畦畔は，関東地方や東北地方では「くろ」，それ以外では「あぜ」とよばれている（徐2001）．
伝統的な畦畔は土や石あるいはその両方を用いて作られ，その構造には統一的なものはなく，畦畔の形は地域によって大きく異なる（徐2001）．
畦畔の構造は，構成部位の有無や畦塗りの状況などから8つの型に分けることができ，まえあぜ・平坦面・傾斜面の3つの部分から構成される関西型畦畔が基本的なものである（山口・梅本1996，図1）．
まえあぜは斜面上方の水田に面し，畦塗りが行われる部分である．
平坦面はあぜ道として通行に使用される部分で，兵庫県の但馬地方や淡路島では単に「あぜ」とよばれることがある．
傾斜面は斜面下方の水田や道路などに面する法面の部分（以下，畦畔法面という）であり，兵庫県の但馬地方では，平坦面と区別して「わーて」あるいは「こせ」とよばれること（加藤1995）やまえあぜと対比して「うしろあぜ」とよばれることがある．
ただし，これらの名称は地方によって大きく異なる（山口・梅本1996）．
本稿では，畦畔法面に成立する草原（以下，畦畔草原という）を主な対象とする．
畦畔法面に成立する半自然草原だけを厳密に畦畔草原とすると，水田と森林との間に成立する裾刈り地は畦畔草原には含まれない．
ただし，裾刈り地は畦畔草原と同様に草刈りによって維持されていることから，畦畔草原の1つの型として捉えることができ（北川ほか2005），畦畔草原と類似した植生であるため，本稿では広義の畦畔草原として裾刈り地を対象に含める．
畦畔法面の高さや傾斜角度は，水田地帯の原地形の傾斜，本田の幅，畦畔法面の材料の性質によって異なる．
一般的には，圃場整備された水田（以下，整備地という）よりも圃場整備が実施される前の水田（以下，非整備地という）では畦畔法面の角度が急であり，上下の水田間の高低差は小さい．
そのため，非整備地では畦畔法面は細長い線状の形状であることが多い．
1990年代より前の半自然草原の植生研究の対象は，山地に成立する草原が中心であり，畦畔草原は注目されなかった．
研究対象として畦畔草原に注目したのは馬場ほか（1991a,b）が最初で，長野県長谷村で非整備地における畦畔草原の現状を報告した．
その後，前中ほか（1993）および大窪・前中（1995）は東北から九州の8府県において非整備地と整備地の畦畔草原を調査し，整備地と非整備地とでは畦畔草原の種多様性や種組成が異なっており，非整備地の畦畔草原が草原生植物の種多様性保全に重要であることを示した．
これらの研究によって圃場整備の影響が認識されるようになった．
大黒ほか（1996）は，新潟県において耕作放棄された水田（以下，放棄地という）の畦畔を調査して，放棄後は畦畔草原が低木林に数年で遷移することを報告した．
また，大谷ほか（1997）は島根県において放棄された畦畔を放牧によって管理する実験を行った．
このように，1990年代には圃場整備および耕作放棄によって畦畔草原が変化しつつあることが報告された．
その後も，各地で整備地の畦畔草原の特徴が報告されている（浅見ほか1998;山口ほか1998;伊藤ほか1999;山戸ほか1999;有田・小林2000;曽根原ほか2003;松村2010）．
2000年以降では，畦畔草原の保全方法を提案する研究（松村2002;小島ほか2004;Matsumura&Takeda2010），裾刈り地における種多様性の高さの報告（Nagamatsu&Miura1997;Kitazawa&Ohsawa2002;北川ほか2004,2005,2006;Okuboetal.2005），同一地域内での非整備地・整備地・放棄地・裾刈り地の比較（Fukamachietal.2005），放棄地における埋土種子の発芽実験を含めた調査（石田ほか2013）など多様かつ数多くの研究が行われている．
畦畔草原は生物の生息空間として重要であるが，近年その面積は減少するとともに種組成が変化しつつある．
非整備地の畦畔での管理を継続すれば，畦畔草原は草原生植物の生育場所として機能することが期待できる．
また，里山林がその文化的価値や景観的価値をもとに環境林として評価されている（服部ほか1995）のと同様に，伝統的な棚田やその畦畔は，生物多様性の保全機能・生態的防除機能・環境保全機能のほか，文化的価値や景観的価値からも評価できる．
生物多様性の保全機能では，水田が自然湿地の代替地として機能する（守山1988）のと同様に，水田畦畔は自然草原の代替地として機能している可能性が高い．
水田畦畔には多様な動物が生息しており，畦畔における植生との関連では，ネズミ類およびカエル類（大澤ほか2006）やサシバおよびカエル類（東ほか1998）など複数の分類群を対象にした研究のほか，アカネズミ（黒田・勝野2008），サギ類（Lane&Fujioka1998;工・江崎1998），カナヘビ（Osawa&Katsuno2010），カエル類（東・武内1999;佐藤・東2004;大澤・勝野2007;Osawa&Katsuno2010），バッタ類（吉尾ほか2009），チョウ類（川村・大窪2002），トンボ類（九鬼・大窪2005）などを対象にした研究がある．
これらの多くは草丈と動物の生息密度との正の相関関係や非整備地の重要性を報告している．
農業地域では質の高いハビタットはポリネータや植物にとって重要であり（Kohleretal.2008），農地の辺縁部の半自然草原に成立する植物群集はポリネータにとって餌や蜜を供給する点で重要である（Öckinger&Smith2007）．
また，畦畔草原がチョウ類およびバッタ類の資源および生息基盤として重要であることが，近年明らかになりつつある（Uchida&Ushimaru2014）．
植生の多様性が減少すると，それを利用する消費者群集に大きな影響を与える可能性がある（Öckinger&Smith2007;Kleijnetal.2011）．
畦畔草原を保全することは，畦畔に生息する第一次消費者群集を保全することになり，さらに高次の消費者群集を保全することに繋がるであろう．
植生が動物群集に与える影響に関する研究は世界的に増加する傾向にあり（例えば，Joern2005;Tscharntkeetal.2005;Pöyryetal.2009;Kleijnetal.2011など），日本の半自然草原でもさらなる研究が期待される．
生態的防除機能としては，農地の辺縁部は，捕食者にとって生息場所・農作業による攪乱時の逃避場所・代替餌の提供場所であるとの指摘がある（Way&Heong1994;Draney1997;田中2003,2010）．
カメムシ類による斑点米被害の対策としてイネ科植物の出穂密度管理（寺本2001）が提案されている．
しかし，その結果としてカメムシの捕食者であるクモ類や節足動物の逃避場所および代替餌が減少する可能性も指摘されている（Cloughetal.2007;Pluessetal.2010）．
また，害虫抑制のための殺虫剤は捕食者をも駆除して，耕作の初期段階でトビイロウンカなど特定の害虫が増加することがある（Kenmoreetal.1984;Way&Heong1994）．
こうしたことから，農薬による防除だけでなく生態的防除を活用した病害虫の制御が望ましく，そのためには畦畔を含む水田全体での生物多様性の保全が必要である．
ただし，生物多様性を高めることが常に病害虫制御に有効なわけではなく，生態的防除のメカニズムを特定する必要がある（田中2003）．
また，種の豊富さだけでなく，均等度（Crowderetal.2010）やニッチの幅の広さ（Finke&Snyder2008）が病害虫防除には重要であるとの指摘がある．
環境保全機能では，傾斜地の棚田が放棄されて荒廃すると水源涵養・洪水防止・土砂崩壊防止などの機能が低下すると報告されている（太田ほか1996;増本ほか1997）．
文化的価値として，非整備地の棚田には景観的な美しさがあり，アメニティ機能といった地域資源としての景観的価値やレクリエーション機能がある（山口・梅本1996;牧山・山路2001;本中ほか2001;内川・木村2010）．
経済的にも非整備地の棚田は高い評価があり，市民は伝統的な棚田景観や生物多様性保全に一定の理解を示している（吉田2001;藤本2002）．
草原における単位面積別での世界最高の植物の種数は，チェコ，アルゼンチン，ルーマニアでそれぞれ44種/0.25m2，89種/1m2，98種/10m2などが報告されている（Wilsonetal.2012）．
日本の非整備地における畦畔草原での種数はこれらには及ばないが，例えば兵庫県の淡路島では21-35種/1m2が報告されており（松村・武田2008;Matsumura&Takeda2010），単位面積あたりの出現種数が多い植生である．
一般的に植物の種多様性を決定する要因として，歴史や生物地理など大規模な要因，群落間での種の移出入など中規模の要因，種間競争など小規模な要因があげられ，どの要因が重要であるかは場合による（Zobel1997）．
畦畔草原の種多様性の高さに対しても，様々な時空間的規模の仮説および要因が考えられる（表1）．
大規模な要因では，長い歴史を経るうちに畦畔周辺の多様な立地に生育していた植物が畦畔草原に入り込んできたことが考えられる（丑丸2012）．
本稿ではこれを歴史仮説とする．
歴史仮説が成り立つとすれば，水田としての歴史の長さや周辺の土地利用の変遷が種多様性に影響していると考えられる．
例えば，スウェーデンの放牧地における半自然草原の土地利用の変遷と植物の種多様性との関係では，半自然草原としての持続年数が長いほど放牧依存の種数が多いことが報告されている（Johanssonetal.2008）．
歴史仮説を検証するには，時間軸としての水田の歴史や空間軸としての過去の土地利用を把握することが必要だが，これまではほとんど研究されていない．
また，広域での植物相の比較や種内の遺伝的変異を明らかにすることで，水田畦畔に生育する種が植物相に加入した過程を推定できる可能性がある．
例えば，作物の伝播経路や遺跡の出土種子から農耕地における雑草の原産地を推定した研究（笠原1976a,b）やワレモコウの遺伝的変異に関する研究（佐伯ほか2012）があるものの，このような研究は少ない．
中規模の要因では，ある地域の水田とその周辺に少しずつ異なる資源や環境などが不均質に分布しており，その結果として畦畔には多様な資源環境が存在していることが考えられる（丑丸2012;Uematsu&Ushimaru2013）．
本稿ではこれを資源環境仮説とする．
資源や環境とは，土壌水分・栄養塩・光環境などで，それぞれに適した植生が成立することで群落タイプの多様性の高い景観が形成されるという仮説である．
またこれと同様に，資源や環境が類似していても管理方法が少しずつ異なることで多様なタイプの植生が成立すると考えられる（以下，管理仮説という）．
さらに，中規模の空間での多様なタイプの植生の間で相互に種が移動することで，種多様性がより高い植生が形成される可能性がある（以下，移動仮説という）．
近年，資源環境仮説に対して調査は行われつつあるが（丑丸2012;Uematsu&Ushimaru2013），さらなる研究が必要である．
管理仮説に対しては，管理方法が異なる畦畔を比較することで，その検証を進めることができる．
移動仮説では，同一地域において固定的な調査枠を設置した継続調査が必要であるが，このような調査はまだ行われていない．
小規模な要因では，畦畔における草刈りという攪乱が競争を回避させて多くの種を共存可能にするという中規模攪乱仮説（Connell1978），畦畔のように幅が狭い線状の形状が競争を緩和させるという仮説（以下，線状形状仮説という），地表面の微小な凹凸によって攪乱強度の異なる立地が生じるという仮説（以下，微小立地仮説という）が考えられる．
中規模攪乱仮説については，畦畔草原以外の半自然草原での研究がある．
例えば，河川堤防に成立する草原では2回/年の草刈りをした場所では1回/年や3回/年の草刈りをした場所よりも種多様性が高くなることを示しており（浅見ほか1995），これは中規模攪乱仮説で解釈可能である．
ただし，より詳細な種多様性維持の機構に関しては，草刈り頻度や時期との関係，あるいは火入れや放牧などの他の攪乱との違いを明らかにする必要がある．
線状形状仮説は，畦畔の形状が光を巡る競争を回避させるという仮説である．
非整備地の畦畔草原は線状の細長い形状であるため横から光が入り，下層まで光が届きやすい状態である．
Hautieretal.（2009）がナガハグサやムラサキツメクサなどを含む草本群落の下層に光を供給する実験によって種多様性の減少幅が小さくなることを示したのと同様のことが畦畔草原でも起きている可能性がある．
横からの光を遮る実験によって，線状形状仮説は検証可能であろう．
日本において半自然草原は1万年以上前から存在すると推定され，1900年頃までの日本には約4000haを超える半自然草原が広がっていた（小椋2012;須賀ほか2012）．
中世においては，草原や水田が入り混じった景観が広がるとともに，草原を農地として開墾していたと考えられており（盛本2012），水田と草原とは時間的にも空間的にも密接な関係にある土地利用である．
また，畦畔草原に出現する種には河川敷の草原・海岸などの風衝草原・山地の半自然草原に出現する種と共通するものがある（田端1997;須賀ほか2012）．
もともとは周辺にあったこれらの草原に生育していた種が畦畔草原に侵入することで，畦畔草原の植物相が形成されたと推測できる．
このように，畦畔草原は水田周辺に広がっていた畦畔以外の草原の影響を強く受けてきたと考えられ，歴史仮説の解明のためには水田およびその周辺に成立していた草原の歴史を明らかにすることが重要である．
そこで，以下では水田の歴史についてこれまでの知見をまとめるとともに，歴史学の史料の有効性について述べる．
日本における水田の始まりは縄文時代末期とされ，初期には平坦な場所で水田が広がり，弥生時代から傾斜地での水田開発が始められた（山崎1996）．
弥生時代の代表的な遺跡である福岡市の板付遺跡の水田遺構には土盛畦畔や水路などがあった（山崎2000）．
このように，初期の平坦な水田でも畦畔は存在していたが，畦畔に現在のような草原が成立していたかは不明である．
水田が傾斜地に広がった弥生時代には現在と同様の形状の畦畔法面が出現したと考えられ，そこには現在と似た畦畔草原が成立していた可能性がある．
山崎（1996）は，日本における耕地（水田と畑地の合計）の面積を過去の資料から推定している．
ただし，水田と畑地とを区別していないため，ここでは耕地の半分が水田であると仮定して，水田面積の変遷を示す．
水田は，西暦900年頃には約43万ha（耕地面積は約86万ha），その後は徐々に増加して豊臣秀吉が行った1582-1595年の検地によると約75万ha（耕地面積は約150万ha），1874年（明治7年）には約175万ha（耕地面積は約350万ha）になった（山崎1996）．
それ以降の水田面積を総務省の資料（日本の長期統計系列，htm，2013.2参照）からみると，1904年（明治37年）から1970年（昭和40年）までは約280-344万ha程度あったが，2004年には約258万haへと面積が減少した．
水田面積の減少の主な要因は1970年からの生産調整であると考えられる．
もし，一旦開墾された水田がその後も全て存続していると仮定すれば，約1000年以上の歴史がある水田は約43万ha，約400-1000年は約32万ha，約110-400年は約100万ha，約110年未満は約115万haである．
しかし，初期に開発された平地の水田は土地利用自体が変化していることが多いため，実際の水田としての歴史はこれより短いものが多いと考えられる．
水田面積に占める畦畔の割合が高い中山間地域の水田は，比較的後期に開発されたものが多いため，現在でも水田畦畔として利用され，かつ多様な草原生植物を維持する水田畦畔の多くは400年未満の歴史であろう．
水田の歴史を明らかにするための資料として，古文書などの断片的な記録や絵図などの史料，遺跡としての伝統的な水田景観，花粉・プラントオパール・微粒炭，遺跡の植物遺体などがあり，これらを分析することで過去の植生景観をある程度推定することが可能である（小椋2012;須賀ほか2012）．
このような情報を積み重ねることで，歴史仮説を検討する材料が揃い，畦畔草原における植物相の成り立ちを理解するうえで役に立つ可能性がある．
例えば古文書としては，今昔物語集の描写からは，草を刈る子どもの様子，大阪の平地での草庭（草を刈る場所）の一部から畠地への開発，京都市の桂川の氾濫原での畠・水田・草畠（採草地）が交じり合った景観を読み取ることができる（盛本2012）．
播磨国風土記（はりまのくにのふとき）からは，8世紀初頭の水田では一般的に刈敷が用いられたことがわかる（鋳方1965）．
このような断片的な情報であってもそれをつなぎ合わせることで，古代以前の水田畦畔について理解を深めることができる．
万葉集は詠まれた植物の写実性が高く，田畑や里山林とあわせてチガヤ草原やススキ草原などが7世紀後半から8世紀には広がっていたとことが推定できる（服部ほか2010）．
史料だけでなく，過去から改変されていない畦畔や水路を遺跡として捉えることで，水田の歴史を知ることができる．
地下に埋蔵されたものだけが遺跡ではなく，村落の家屋敷や耕地の畦畔や水路あるいは墓地などの景観を遺跡であると位置づけるのである（飯沼2000）．
人力で耕作していた古墳時代には1-2m四方の極めて小規模な水田が連続していたが，牛馬耕が導入された奈良時代以降になると，場所によっては1辺が10m以上に水田が大型化された（服部1995）．
これらの水田の多くは，水路の移設の困難さや土地への執着から親子代々と水田が受け継がれたため，近年の圃場整備がされるまで改変されなかった（服部1995）．
そのため，非整備地では現地の水田と村絵図や地籍図・地名や地番・石高の資料・現地での灌漑調査などを合わせることで水田形成の歴史を推定することができる．
例えば，大分県豊後高田市では村絵図と地籍図や土地の生産高である村高の資料から，江戸時代以降の水田の位置や水田開発の経過が推定されている（出田1995）．
また，福岡県八女市の旧星野村では，中世での山の焼き畑の開発，17世紀までの土の畦畔による水田開発，さらに明治以降での土から石積みの畦畔への置き換わりが推定されている（飯沼2004）．
農村の田制・税制などの農政の解説手引書である地方書や，近代的農学成立以前に著された農業技術書である農書には，農作業以外にも周囲の植生や生物に関して記述されていることがある（竹田2002）．
例えば，1832年（文政6年）に奈良県天理市（大和国山辺郡乙木村）の農家である山本家について記載された農書（山本1982）には「又田のあぜに柳やふじやいばらぐろまて，きを付かるなり．（現代語訳:また，田の畦にある柳や藤，茨の草むらまでも残さずに刈る．）」や「朝田見舞するときに，きゝよう，かるかや，おになめし花を折置なり．（現代語訳:朝，田の見回りをするときにききょう，かるかや，おみなえしを折って持ち帰る．）」などの記述があり，これらの植物が畦畔に生育していたことを知ることができる．
直接的な証拠として水田の遺跡から植物遺体が発掘されることがある．
例えば，本田あるいは畦畔に生育していた植物として，ウシクグの近縁種，カタバミ，コゴメガヤツリの近縁種などが報告されている（那須2011）．
水田または畦畔の来歴がわかっている地域で畦畔草原を詳細に調査すれば，畦畔の歴史の長さと植生の特徴との関係を明らかにできる可能性がある．
水田の歴史が明らかな地域として奈良県飛鳥川上流の水田があり，6-7世紀の古墳時代に開発されたと指摘され（竹田2002），畦畔草原の調査が行われている（馬場・伊藤2000;前迫2013）．
滋賀県高島市にある木津荘では，古代や中世の荘園領主が年貢徴収の基礎とした台帳の検注帳や戦国期以降の台帳の検地帳から水田開発の経過や1600年頃の水田の位置を知ることができる（水野2011）．
ただし，この地域での畦畔草原の調査はみあたらない．
植物相と地域性水田畦畔における植物相や地域による種の相違は，畦畔の歴史を反映している可能性が高い．
全国的な植生調査の結果や地域の植物誌などから種の分布を明らかにできれば，生物地理学や集団遺伝学的な方法を組み合わせることで畦畔草原の植物相の成り立ちを明らかにできる可能性がある．
畦畔草原に生育している種を植生タイプでみると，山地草原の種，湿地に生育する種，水田あるいは畑の雑草として生育する種があり，植物の起源でみると，ミズギボウシやキセルアザミなどの日本固有種，キキョウ，ヤマラッキョウ，ノハナショウブなど大陸の温帯草原が起源と考えられる種，サワギキョウやヤマヌカボなど大陸の北方が起源と考えられる種，キツネノマゴやアキノノゲシなど熱帯域などの南方系が起源と考えられる種などがある（丑丸2012）．
植物相の成立要因を明らかにするには，植生タイプ間での比較，起源の把握，日本と海外など広域での比較などが必要である．
例えば，宮崎（2011）は中国海南島と日本の畦畔の平坦面の植生は類似しており，日本の平坦面では様々な立地の種が混在していることを報告しているが，このような広域での比較研究は他ではみあたらない．
日本での畦畔草原の地域性として，兵庫県内での瀬戸内海側と日本海側とでは種によって出現のしかたが異なることが報告されている（須藤・牛尾2000）．
これまで水田畦畔を対象にした植物社会学的植生調査あるいは調査枠を設定した植生調査では，調査地域は限られており，1つの都府県内での調査，しかも特定の地域を選定している場合がほとんどである（表2）．
また，広域での調査（前中ほか1993;大窪・前中1995）であっても地域間での植物相の違いやその要因は検討されておらず，畦畔草原の地域による相違は不明である．
これ以外に地域の植生誌や植生図作成時に植生調査や植物相調査が行われている可能性はあるが，それらをまとめて解析したものや畦畔草原の地域性を全国的に比較したものはみあたらない．
1地域内での調査では，奈良県の明日香村の石舞台から祝戸にかけての地区とそこから約1km程度離れた稲渕地区でそれぞれ266種と286種が出現しており，両地区で161種が共通することが報告されている（馬場・伊藤2000;前迫2013）．
このように畦畔とその周辺環境は，種多様性が高いだけでなく近接した地区であっても植物相が異なっていることがある．
植物相の異質性をもたらしている要因としては，土壌条件などの環境の違い，管理方法の違いなど資源環境仮説や管理仮説との関連が推測されるが，詳細な分析は今後の研究課題であろう．
畦畔草原に生育する種の遺伝的変異については，ワレモコウについて検討されているが，その他の研究はみあたらない．
ワレモコウは複数のハプロタイプが広域かつ離散的に分布しており，人為的あるいは家畜への付着で種子が移動した可能性があること，また海岸近くや九州地方にレアハプロタイプが出現する傾向があり，人為の少ない環境で長期にワレモコウの個体群が維持された可能性が報告されている（佐伯ほか2012）．
畦畔草原は様々な環境を含み，異なる環境にはそれぞれに特有の植物が生育して組成の異なる植生が成立する（Kitazawa&Ohsawa2002;伊藤・加藤2007）．
これまでは，裾刈り地の種多様性が高いこと（Nagamatsu&Miura1997;Kitazawa&Ohsawa2002;北川ほか2004,2005,2006;Okuboetal.2005）や畦畔の材料による違い（Fukamachietal.2005）などが報告されている．
これ以外にも，土壌水分・栄養塩・光環境などは同一地域内の畦畔であっても多様であると考えられ（丑丸2012），植生との関係が明らかにされつつある（Uematsu&Ushimaru2013）．
谷津田では下部谷壁斜面にある裾刈り地の方が，水田と水田との間に成立する畦畔よりも単位面積あたりの出現種数が高いことを示した多くの報告がある（Nagamatsu&Miura1997;Kitazawa&Ohsawa2002;北川ほか2004,2005,2006;Okuboetal.2005）．
裾刈り地の特徴として，コナラやクリなどの樹林生の種およびミツバアケビやニガイチゴなどの林縁生の種が多く生育していること（北川ほか2004），ヌマゼリやオオバクサフジなどのレッドデータブックに掲載されている種が含まれること（北川ほか2006），適湿から過湿な明環境を含む多様な環境が成立していること（山田ほか2005），狭い面積に地域の植物相の多くを含むこと（北川ほか2005）があげられる．
裾刈り地以外では，畦畔の平坦面でも出現種数が多いことが報告されている（伊藤・加藤2007）．
畦畔の材料として土と石積みなどを比較すると，種多様性の高いほうから非整備地の土の畦畔，放棄地，石積みの畦畔，整備地，コンクリート補強された畦畔の順であると報告されている（Fukamachietal.2005）．
同一地域内に，土の畦畔と石積みの水田畦畔があれば，それぞれを主な生育地にする種があることで地域全体の多様性が高くなり，さらに，相互に種の入れ替わりが行われることで，単位面積あたりの種多様性も高くなることが予測される．
また，水田の周辺にはため池が作られていることがある．
兵庫県の東播磨南部のため池の土手に成立する半自然草原には絶滅危惧植物を含む半自然草原（ススキ─ウンヌケ群集Eulaliospeciosae-MiscanthetumsinensisNozakietal.1998）が成立しているなど，一部にはかつての良好な草原が維持されてきた可能性がある（野嵜ほか1998）．
ため池の土手の草原は農業によって維持され，畦畔と似た半自然草原であり，畦畔草原との共通種が多いことから，これらも畦畔草原と合わせて調査することで畦畔草原の植物相の成り立ちの理解に役立つ可能性がある．
畦畔草原の保全を考える際には，畦畔だけでなくその地域に存在する草原を一体としてとらえることが望ましい．
管理方法の多様性畦畔の管理方法は，地域間あるいは地域内でも農家によって異なる．
管理方法が異なれば，成立する半自然草原の種組成が異なるため，地域間あるいは地域内で群落の多様性が高められると考えられる．
畦畔以外では，シバやススキが優占する山地草原では草刈り頻度の多様性と植物の開花との関係（井上・高橋2008）やチョウ類群集にとっての多様なタイプの植生の重要性（Rundlöfetal.2008;久保ほか2011）が報告されており，畦畔においても植物の開花や昆虫群集などは管理の多様性と関連があると考えられる．
一方，農地では病害虫防除を目的として画一的な管理方法が推奨されることがある．
その場合，管理方法の多様性が失われ，群落タイプの多様性が減少すると考えられる．
管理方法と生物多様性の関連を明らかにする研究が期待される．
熱帯では水田耕作が1年を通して行われており，栽培回数が多い点と栽培時期つまり管理の時期が地域内であっても同期していない点で日本を含む温帯と異なる（Ichinoseetal.2006）．
このような管理時期の均一性が異なる地域を比較することで管理方法の多様性が群落タイプの多様性を維持しているという管理仮説を検証できる可能性がある．
草刈り頻度草刈り頻度は畦畔に生育する植物の定着・成長・開花・結実などに影響を与えていると考えられる．
また，草刈りは光をめぐる競争を緩和し，種多様性や希少種を維持する機能があると考えられる．
半自然草原の草刈り頻度は，河川堤防に成立する植生を対象に優占種や種多様性を決定する要因（浅見ほか1995）として研究されてきた．
畦畔草原における草刈り頻度が種多様性に与える影響の程度は地域によって異なると考えられるが，兵庫県南部地域の畦畔草原では，1-3回/年程度の草刈りで種多様性が高く，4回/年より多い草刈りや，1年に草刈りの全くない場合で種多様性が低下する（Uchida&Ushimaru2014）．
個別の種に対する影響では，例えばコケリンドウは草刈りが年5-6回/年の畦畔よりも，田植え前の早春に追加で草刈りされる畦畔で多く生育することが報告されている（小島ほか2005）．
また，草刈り頻度は開花数にも影響を与えうる．
山地草原での研究では，春咲きの種は草刈り頻度による花茎数の違いが少なく，秋咲きの種は高頻度の草刈りで花茎数の減少やツリガネニンジンの開花のピークの遅れが生じると報告されており（井上2005），畦畔草原でも同様のことが起こると考えられる．
畦畔の草刈り頻度は，地域や農家によって異なるが，中国地方や近畿地方では3-4回/年が一般的である（友正ほか1994;徐・城戸2000）．
長野県での畦畔の草刈り頻度は2.5-4回/年が一般的で，多いところでは5-6回/年である（伊藤・馬場1993;馬場ほか2003）．
病害虫の防除を目的とする場合は，田植え前から出穂期前にかけて草刈りが行われ（友正ほか1994），これは6-7月の梅雨時期や8-9月の高温期にあたるため農家には大きな負担である．
草刈り時期草刈り時期は個々の植物の生育阻害あるいは促進要因として，競争・開花・結実に影響を与えると考えられる．
草刈りと畦畔草原との関係をより詳しく理解するには，実験的な研究（例えば，浅見ほか1995）あるいは草刈り時期の異なる畦畔での比較研究が必要である．
例えば，長野県の北部に位置する標高1200-1300mの戸隠高原におけるクマイザサの優占群落から半自然草原への再生実験では，優占種の抑制には草刈り時期が重要で，草刈り時期は優占種の除去と保全対象種の再生とを考慮して決定する必要があることが報告されている（大窪・前中1993）．
開花や結実では，畦畔に移植したウマノアシガタについて，開花期での草刈りよりも結実後の草刈りで実生個体の増加が報告されている（近藤・榎本1998）．
このように，一部の植物のフェノロジーに対する草刈りの影響は明らかにされているが，研究対象とされていない種は多い．
また，畦畔に生育するシランの個体群維持には光の確保と競合種の除去が必要である（清水ほか2000）ことは明らかにされていても，具体的にどの時期にどの程度の草刈りをする必要があるのかは不明である．
さらに，それらの相互作用が畦畔草原の種多様性や種組成に対して与える影響はほとんどが未解明である．
草刈り方法草刈り方法として，植生に与える要因は刈り残し，草刈り道具，草刈り高さがある．
これらは，草刈り頻度や時期に比べると研究例は少ないが，直接あるいは間接的に植生に影響を与えていると考えられる．
農家は花の美しいユリ類，リンドウ，カワラナデシコなどを刈り残すことがあり（馬場ほか1991b;Koyanagietal.2014），刈り残し方は農家の嗜好によって異なる．
農家がスズサイコ，キキョウ，オミナエシなどの希少種を認識して刈り残すことや，他方では花つきの良いオオキンケイギクなどの外来種が刈り残されることを筆者も観察したことがある．
種多様性の高い畦畔において農家が希少種などを認識して刈り残していれば，特定種の保全だけでなくその周辺に生育している他種の保全にも貢献できる可能性がある．
さらに，畦畔草原全体に希少種が点在している場合には，畦畔の中に刈り残しの場所が点在するため，小さな規模の中に多様な管理が存在することで多様なタイプの植生を維持できる可能性がある．
動力草刈り機の刃にはナイロン製のロープ刃や金属製の刃がある．
柔らかい草に適したナイロン製のロープ刃は安全性が高いが，刈る草の茎が太くあるいは硬くなると金属製の刃のようには作業できないため，頻繁な除草が必要であり（木村ほか1994a），草刈り頻度が高くなる．
ただし，金属製の刃と違って，ロープ刃は地面に接触しても摩耗した分のナイロン紐を繰り出すことで草刈り作業を続けることができ，より除草効果が高い地際まで刈ることが可能である．
そのため，ロープ刃の場合に農家はより頻繁かつ地際付近で草を刈ると考えられる．
このように草刈り機は間接的に草刈り高さと頻度に影響を与えている．
畦畔の草刈り高さの平均値は，非整備地では5cm以下（伊藤・馬場1993;小島ほか2004;松村2009），整備地では4.3cmであり（松村2009），平均値では大きな差はない．
ただし，整備地では草刈り高さが1cm程度と極端に低いところがある（松村2009）．
これは整備地の法面は凹凸が少なく直線的で緩傾斜であるためだと考えられる．
草刈り高さが極端に低いと，キキョウのように根生葉をもたない種への影響が大きいと考えられる．
アキノタムラソウやツリガネニンジンのように根生葉がある場合は，地上茎が刈られても根生葉が残れば被害は小さい．
そのため，草刈り高さは種組成の決定要因として重要になる可能性がある．
また，非整備地では畦畔のところどころに小さな窪みがあり，窪みでは実質的な草刈り高さが窪みの分だけ高くなる．
この成因は不明だが土壌流出あるいは動物の影響が考えられる．
窪みにはニガナやコナスビなど小さな植物が生育することがあり（筆者観察），微小な立地環境が畦畔草原の定着や生育に影響していると考えられる．
火入れ畦畔では火入れをする場合，草刈りをせずに火入れをする場合，草刈りをして刈り草をその場で火入れをする場合，草刈りをして刈り草を集めて火入れをする場合がある（迫田・武田1998）．
兵庫県の但馬地域では，1960年ごろまで畦畔の採草地の刈り草，稲わら，ヌカ，フスマなどを牛馬の餌として与えていた（加藤1995）．
1975年以降でも，ウシを飼う農家は飼料用の草を補うためウシを飼わない農家の畦畔の草を刈って利用することがある（加藤1995）．
このように，他の地域でも畦畔の刈り草は牛馬の餌として使われていたと考えられる．
牛馬の利用の減少とともに，畦畔の刈り草も利用されることが少なくなり，畦畔での火入れが広くされるようになった可能性がある．
火入れと畦畔草原との関係では，火入れが行われる神戸市の畦畔ではヤブレガサモドキ，ヒメシオン，ミシマサイコ，ウンヌケモドキなどの希少種が生育し，種多様性は草刈りだけでなく火入れによっても維持されていることが報告されている（迫田・武田1998）．
宮崎県串間市でも火入れ草原が希少種の生育地として機能していることが報告されている（Kawanoetal.2009）．
火入れが希少種を維持する要因としては，温度変化による発芽促進，堆積したリターの除去による実生の発芽・成長の促進，燃焼した刈り草の成分による土壌環境の変化などが考えられる．
今後はこれらのうち，どのような要因が重要かを明らかにする必要がある．
施肥・除草剤農地の辺縁部は耕作地から肥料の影響を受けており，刈り草の除去をしなければ土壌の富栄養化やリターの蓄積につながる（Kleijn1996）．
富栄養化はススキ，ネザサ，セイタカアワダチソウなどの大型の草本による他種の被圧を引き起こし，リターの蓄積は実生の発芽や定着を阻害し，種多様性を減少させる可能性がある．
除草剤の使用率は地域によって大きく異なり，近畿地方および東日本を調査した結果では，除草剤のみで除草をする農家の割合は約10-50%であり，これに除草剤と草刈りを併用する農家の割合を合わせると約40-80%である（徐ほか1997;徐・城戸2000）．
丘陵地や中山間地域のように原地形の傾斜が急で畦畔が高くなる地域では，畦畔が崩れることを農家は懸念するため，除草剤の使用率は低い（徐ほか1997;徐・城戸2000）．
ただし，草刈りは危険できつい手作業であると農家は考えている（松原1996）．
そのため，大規模農家ほど良い除草剤があれば使いたいとの意向を持っており，経営規模が大きくなるほど，除草剤を活用する割合が高い（徐ほか1997）．
除草剤を使用しない畦畔ではチガヤ，スイバ，オオジシバリなどの多年草が多く出現し，使用する畦畔ではメヒシバ，スズメノテッポウ，カヤツリグサなどの一年草およびスギナ，ヨモギ，ハルジオンなどの多年草が多く出現することが報告されている（大塚ほか2006）．
近年，畦畔の雑草防除方法として，ヒメイワダレソウとよばれる外来種，マンネングサ類，チャボウシノシッペイ（ムカデシバ，センチピードグラス）など外来種のグランドカバープランツを導入することが提案されている（大谷2004）．
導入した種がアレロパシーによって他の在来種の生育を阻む性質を持っていれば，畦畔管理の労力低減は可能であるが，生物多様性の保全の観点で問題である．
導入地の周辺へ侵略的に広がる性質を持っていれば，逸出による周辺の畦畔や他の草原への影響が懸念される．
逆に，導入した種にこれらの性質がなければ，導入当初はその植被効果で他種の生育の抑制が可能であっても，いずれも草丈の低い植物であるため，時間の経過とともにチガヤやススキなど草丈が比較的高い植物が侵入し，導入の効果は一時的なものになると考えられる．
農家へのアンケート調査では，耕作放棄の素因は土地生産性よりも労働生産性の悪さ，具体的には通作の便や機械利用の良否など耕作条件の悪さがあげられ，誘因は生産調整や労働力不足などがあげられている（木村1993）．
労働力不足の要因に畦畔の草刈りがある．
かつての畦畔の植物は，牛馬の飼料として利用されていた．
しかし，現在では畦畔の草は用途がほとんどなく，水田への被陰防止や畦畔の維持のためだけに除草される除草草原（浅見1999）がほとんどである．
畦畔の草刈りは，農家の負担が大きいとともに危険を伴う（有田2002）．
草刈り時間は，平均傾斜度が4-8度の中山間地域では米の生産に必要な作業に匹敵するかそれ以上の70-180時間/年・ha程度，2度以下の緩傾斜の地域では米の生産作業の約2割の19-35時間/年・ha程度の労働力を必要とする（川崎ほか1997）．
さらに，農家は自己所有する水田畦畔だけでなく，本来は自治体が管理すべき水路や道路など農地に隣接する法面の草刈りも4回/年程度行うことがある（木村ほか2005）．
一方，畦畔でも労働力不足により1年間で全く草刈りが行われないことがある（木村ほか1994a）．
整備地における畦畔の法面勾配は土木的な法面の安定勾配よりも緩やかではある（Mihara1996）が，除草作業の安全性は確保されていない（木村ほか1994b）．
非整備地の畦畔法面では，法長は整備地よりも短いが勾配は整備地よりもさらに急であるため，やはり除草作業の安全性には問題がある．
そのため，農作業中での事故のうち動力刈払機によるものが最も多く，その内訳は刃の接触や飛び石による負傷など日常的な作業によるものである（木村ほか1994b）．
草刈り以外では畦塗りなどの管理が必要であり，農家の労働力不足は深刻である．
畦塗りの形態は様々で，前あぜのみや平坦面を含む場合があるほか，作業を軽減するために代替として畦シートやコンクリートを使用したものがある（徐2001）．
耕作条件の悪さでは，農地としての立地の悪さと基盤整備の遅れが指摘されている．
原地形の傾斜が急な水田ほど圃場整備率が低く，農道の整備も遅れている（長堀ほか1986）．
放棄地は整備地よりも非整備地で多く（千野ほか1994），傾斜が急な非整備地では，特に耕作放棄されやすくなる．
耕作放棄されると災害の発生率が高くなり，災害を機に耕作放棄をする農家もいる（千野ほか1994）．
こうしたことから，放棄地が地域内に発生すると，隣接した耕地・道路・水路などの管理が行き届かなくなり，耕作放棄が周辺に拡大しやすい（木村1993）．
この悪循環に陥る前に何らかの対策が必要である．
例えば，農業土木の分野では耕作放棄される前に圃場整備を行うことが推奨されている（木村1993）．
圃場整備を行った地域の整備直前の耕作放棄率は25-30%以下が多く，50%以上では圃場整備が行われる事例はほとんどないことから，圃場整備を行える限界の耕作放棄率は25-30%であるといえる（木村1993）．
ただし，現状の圃場整備では種多様性の減少や種組成の変化が起こるため，生物多様性保全の観点では表土の再利用や種子供給源の配置といった保全策を講じなければならない．
また，地域によっては圃場整備による非整備地の畦畔の減少面積よりも耕作放棄の面積が大きいことがあり（松村2008），早急な対策が望まれる．
放棄の植生への影響耕作が放棄されると，畦畔の草刈りが行われず，畦畔草原の種多様性の減少と種組成の変化が起こる．
放棄された水田の畦畔草原では，ヤブツバキクラス域ではネザサ類やセイタカアワダチソウなどが優占し，4-5年程度で種組成が大きく変化するとともに，非整備地で約20-30種/m2あった種多様性は5-10種/m2程度に減少する（飯山ほか2002;松村・武田2008）．
ブナクラス域では，放棄後6年程度でススキが優占し約8種/m2に種多様性が減少し（石田ほか2013），放棄後12年でタニウツギやキブシなどの木本植物が生育して胸高直径は2.5cm程度になる（大黒ほか1996）．
また，耕作放棄されると畦畔草原の季節変化が減少し（林・冨永2005），通年での種多様性が減少する．
このように，放棄後のわずかな期間で種多様性は減少するとともに，畦畔草原は低木林へと遷移する．
整備地におけるスミレ属植物の出現種数は，管理されている畦畔草原よりも管理されていない畦畔草原で低いことが報告されている（武田2010）．
耕作放棄されやすいような非整備地の畦畔が希少種を多く含むため（Uematsuetal.2010），放棄による畦畔草原への影響は大きいといえる．
景観レベルでは景観要素としての群落数が減少するとともに，群落内の種数が減少する（大塚ほか2004）ため，地域内での種多様性が急速に減少する可能性がある．
なお，耕作放棄はイノシシなどの野生生物による農業被害をもたらし，社会的にも大きな問題である（小山2006）．
耕作放棄された水田にはススキなどが繁茂し，イノシシにとって好適な休息・避難・採食場所になり（小寺ほか2001），管理されている果樹園よりも放棄された果樹園でイノシシの利用頻度は高くなる（上田・姜2004）．
ホットスポットの抽出中山間地域の水田では，耕作条件が悪く耕作放棄されるか，耕作条件改善のために圃場整備されることが多い．
また，農村地域では今後も高齢化が進むと予測され，非整備地の畦畔を全て管理するのは現実的ではない．
耕作放棄されやすい畦畔には希少種が多く含まれ（Uematsuetal.2010），このような畦畔では特に管理を継続する必要がある．
そこで，種多様性が高い植生，つまりホットスポットを保全すべき場所として選び出し，可能な限り多くのホットスポットの畦畔を保全することが重要である（丑丸2012）．
その際，全国レベルから地域レベルまで様々な空間規模でのホットスポットが想定される．
ホットスポットの選定にあたっては，広域では過去の土地利用やその後の土地利用の変遷（Gustavssonetal.2007）などが，小さな空間規模では管理方法や土壌条件などが重要になるだろう．
過去からの土地利用を考える際には前述の古文書などの史料の利用が有用であり，種の分布では都道府県や地域の植物誌が有用であると考えられる．
管理方法や土壌条件は，現地調査の積み重ねが必要である．
全国レベルでは，水田環境内に生育する希少植物を対象としたホットスポットの推定（嶺田ほか2004）はあるが，畦畔草原に生育する種は対象から除外されている．
畦畔草原には多くの種が生育することから，畦畔草原においても同様の研究が望まれる．
都道府県内のレベルでは，兵庫県宝塚市北部の約150haで水田畦畔を含む農地周辺において423種が生育し，その約半分が調査地の1/10の面積である非整備地に生育することが報告されている（植松ほか2010）．
市町村内のレベルでは，放棄地や道路法面などの草原と比較して，非整備地の畦畔草原など草刈りによって維持される半自然草原は，多くの絶滅危惧種を含むことが報告されている（金子ほか2009）．
草刈り方法の改善中国地方や近畿地方における畦畔法面では，草刈り頻度は3-4回/年が多い（友正ほか1994;徐・城戸2000）．
この頻度は，耕作中の水田では米を生産するうえで必要な刈り取り回数であると考えられるが，これより低い頻度であっても，生産性を損なわない範囲で，半自然草原の種多様性と種組成を維持できる可能性がある．
また，生産性は少し下がるが，畦畔と接する境界に帯状の耕作しない部分を設定することで，植物の種多様性の維持と畦畔管理の省力化を両立させられる可能性がある．
ただし，労力の少ない管理方法を確立するには，隔年で3-4回/年の草刈りをするなど攪乱圧を低くすると種多様性や種組成はどう変化するかなど攪乱圧を操作した実験的な研究が求められ，管理頻度と畦畔に生育する種との関係を明らかにする必要がある．
草刈りは，農家にとって大きな負担であるため，現在と同じ頻度で行うには，機械の開発，方法の効率化，外部支援などが必要である．
圃場内の除草は生産性と直接結びつくために技術改良が進んだが，畦畔草原の除草は生産性に直接は結びつかないため，技術改良があまり進まなかった（有田・木村1993）．
草刈り機械では畦畔の平坦面と畦畔法面の2面を同時に刈る草刈り機が開発されている（戸崎1999）．
草刈りの作業方法では草刈り頻度を低くするよりも頻度を高くすることで，1回あたりの作業時間を短くして全体の作業時間も短くすることが提案されている（松原1996）．
ただし，草刈り頻度を高くし過ぎると畦畔草原の種多様性は減少する可能性が高い．
急傾斜で長い畦畔法面では，途中に足場になる小段を設けることで作業効率と安全性を高めることが可能である（木村ほか1994b）．
地元の農家が草刈りを継続できない場合は，水田を維持するためには経費や人手を確保する必要がある（牧山・山路2001）．
経費の確保では圃場整備による労働生産性の向上や低農薬による付加価値が，公的な支援では中山間地域等直接支払制度（牧山・山路2001）が，人手の確保ではオーナー制度，グリーンツーリズム，ボランティアなど都市との交流による地域活性化（牧山・山路2001）がある．
オーナー制度を実施している畦畔の植生は，農家が耕作している畦畔の植生とほぼ同じであり（小島ほか2004），グリーンツーリズムやボランティアによっても農家と同様の管理ができれば，植生を保全できる可能性が高い．
長野県千曲市の姨捨地区の水田（田毎の月）のような景勝地の場合は，未整備のまま景観を維持しながら保全できる可能性が高いが，他の地域では未整備のままの部分と圃場整備を行う部分に分けて考えるのが現実的であろう．
草刈りの維持および再開と埋土種子の活用耕作放棄に対しては，草刈りをまず継続して，さらに可能であれば刈り草を除去する必要がある．
一般的に，刈り草の放置によるリターの堆積や草刈り回数の減少による光環境の悪化は，発芽や実生の生育を阻害し，新しい種の定着を減少させて種多様性を減少させる（Tilman1993）．
復元実験からも，草刈りだけでは種多様性の高い半自然草原の再生は難しいことがわかっている（Hejcmanetal.2010）．
刈り草の除去方法は，畜産の敷き草・飼料・堆肥としての利用のほか，現地での焼却や持ち出しての処分がある．
放棄された畦畔の植生復元では，管理を再開することで埋土種子や地下部の根茎からの回復を期待することができる．
管理放棄後に樹林化した採草地での実験から，草原生植物ではアキノキリンソウ，ミツバツチグリ，タカトウダイなどは長期的な埋土種子を形成する可能性が高いことがわかっている（小柳ほか2011）．
放棄地であっても放棄後の年数が少なければ，管理を再開することで地中に残っている埋土種子や根茎から植生を復元できる可能性はある．
ただし，放棄地の畦畔から採取した表土の発芽実験では，ツリガネニンジンやリンドウなど放棄地の畦畔草原で欠落する48種のうち発芽したのはクロバナヒキオコシやエノキグサなど17種のみで，埋土種子が半自然草原に貢献する程度は大きくない（石田ほか2013）．
そのため，畦畔草原の復元方法として埋土種子だけでは不十分で，近隣から種を再導入することが必要である．
放牧による管理畦畔を管理する方法では，ウシやヤギの放牧がある．
放牧は連続的な管理，労働コストが不要，家畜からの収入などの利点があり，管理放棄された草原の景観や生態系の復元方法として有望である（小路ほか2004;高橋2004）．
ウシの放牧では，2年間で約15種/4m2から約30種/4m2への出現種数の増加（小路ほか2004）や，優占種のススキの衰退と他のイネ科植物の生産量の増加（井出ほか2004）が，ヤギの放牧では，優占種であるススキの優占の抑制と出現種数の増加（高山ほか2009a）や水田跡地に繁茂したセイタカアワダチソウ，カラムシ，ススキなどの除草（高山ほか2009b）が報告されている．
また，放牧によってイノシシの隠れ場所や餌が急速に衰退すると，イノシシの掘り起こしが減少する（井出2005）．
放牧密度が低く攪乱圧が低いと植生が復元できないことがウシの放牧地の調査から報告されている（山本ほか1997）．
逆に密度が高く採食圧や踏圧が高いと植生の破壊や家畜の成長不良が予想される．
内蒙古での放牧地では，4頭/haの密度かつ45日間/年の放牧（0.5頭/ha・年）で種多様性が最高であった（Nakamuraetal.1998）．
約0.7haの水田でウシ4頭の放牧では畦畔草原が急速に悪化し，途中からウシ2頭に減らされたことが報告されている（井出ほか2004）．
また，日本では放牧地における1haあたりの一般的な放牧密度として，シバ草原では1.5頭，ネザサ草原では0.6-1頭，ススキ草原では0.5頭以下が目安とされる（矢野ほか1983）．
ヨーロッパの牧場では，ウシの放牧密度が0.5頭/haと1.0-1.2頭/haとでは，植物の種組成にあまり違いはなかった（Báldiaetal.2013）．
地域によって適切な放牧密度は異なるであろうが，放牧密度を検討し，順応的に調整する必要がある．
家畜の放牧は一般的に，草刈りや火入れと比べて，採食・踏圧・糞尿の排出あるいはその相互作用によって植生に複雑な影響を与える（山本2001）．
例えば，中国のステップでは放牧利用されている群落は採草利用されている群落よりも出現種数が少ない（Okamotoetal.2002）．
放牧管理にはこれらを考慮する必要がある．
放牧による踏圧は植生自体への攪乱としての影響と畦畔法面を崩壊させる影響がある．
阿蘇の山地草原ではウシの踏圧による表層の土壌硬化や透水性と通気性の低下が報告され（小路ほか2004），耕作放棄された水田においてウシの登降による裸地の発生や畦畔での崩壊の誘引が報告されている（井出ほか2004）．
畦畔法面の崩壊防止には，初期での放牧強度の制限，植物が枯死する秋季以降での放牧制限，法面上の障害物除去が必要である（井出ほか2004）．
ヤギの放牧では畦畔の崩壊がないと報告されている（高山ほか2009b）．
ウシとヤギでは採食方法が異なり，ウシは舌をからめて，ヤギは歯で切るように食べる．
このため攪乱としての特徴が異なる．
ヤギはスイバを食べるのに対してウシは食べないなど採食特性が異なり（福田2008），餌の嗜好性もまた植生に影響を与える可能性がある．
ウシの糞尿中の揮発性化学物質による不食パッチ（Dohietal.1991）は本田に多いため，畦畔法面での採食圧が相対的に高くなる（井出ほか2004）．
糞尿あるいは有刺植物や不嗜好植物による不食パッチは，採食パッチや草刈りによる管理地よりも出現種数が多い傾向にある（Takahashi&Naito2001）．
ただし，不食パッチに低木や有刺・有毒植物が残りすぎる場合は，火入れや草刈りなどの処置が必要である（小路ほか2004）．
家畜による種子の付着散布や被食散布は，ドイツの放牧地でのヒツジによる種子散布（Fischeretal.1996）と同様に，放牧地内の植物の移動に貢献する可能性がある．
一方，放牧地外から放牧地内への種子散布では，外来種の種子の侵入の可能性がある（福田2001）．
落葉層の上よりも家畜が蹄で露出させた表土の方が糞から落とされた種子の発芽率は高い（福田2001）．
そのため，畦畔を含む放棄地での放牧では，富栄養な環境を好む外来種の侵入には注意が必要である．
放棄地での飼料生産は経済的に成り立ちにくい（千田2006）．
一方，放牧場所としては子牛の価格が維持されれば持続可能である（進藤・手島2006）．
山地に比べて里地での放牧は農家の居住地や牛舎に近い利点があり，放棄地や保全管理農地など里地での放牧は広がりつつある（千田ほか2003;小山2006）．
放棄地での放牧による畦畔草原の保全の有効性を検証するには，放牧圧や放牧する家畜の選定など放牧後のモニタリング調査による保全効果の検証が必要である．
種の再導入による畦畔草原の復元整備地や放棄地の畦畔草原では，非整備地の畦畔草原に生育していた種の多くが欠落するが，非整備地の畦畔草原に類似した草原を復元する方法として種の再導入がある．
再導入には，種子の撒き出し，種子を含んだ刈り草の撒き出し，実生の植栽，種子を含んだ表土の移植などがある（Kiehletal.2010）．
種子の撒き出しは，表土や刈り草の撒き出しとは異なり，不要な外来種の紛れ込みを防ぐことができ，種子の採取が可能で発芽率や定着率が低くなければ，最も簡便な再導入の方法であろう．
刈り草の撒き出しでは，目標種以外の種子を含んでいることがあり（Kiehletal.2010），多くの種を再導入できる可能性がある一方で，望んでいない外来種を含む可能性もある．
これは表土の移植でも同様である．
実生の植栽は，目標種をより確実に再導入できる可能性がある．
目標種の再導入時には表土の除去によって，目標種の生育立地に近い貧栄養な土壌にするとともに，外来種など目標種以外の埋土種子を減少させることができる（Verhagenetal.2001）．
再導入の際には，遺伝的攪乱を避けるために，できるだけ近くに生育している個体から種子などを採取しなければならない．
表土の移植では，そこに含まれる埋土種子からの定着を期待することができる．
これまでの畦畔草原や類似した半自然草原における埋土種子の研究では，非整備地の畦畔草原に出現した種で放棄地の畦畔の埋土種子に含まれる種が少ないこと（石田ほか2013）や谷津田沿いのススキ草原では地上に出現した種で埋土種子に含まれる種が少ないこと（小柳ほか2008）が報告されている．
また，刈り取り管理によって維持されているススキが優占する台地上の半自然草原では，地上植生の草原生植物37種のうち17種は埋土種子としては検出されなかったこと，埋土種子から出現した24種のうち16種は長期的な埋土種子を形成する可能性があること，管理の再開で地下茎からの栄養繁殖によってワレモコウなどの再生する可能性が報告されている（小柳ほか2011）．
日本の草原における埋土種子の研究例は少なく，埋土種子を形成する種や表土の撒き出しによる植生保全の可能性について明らかにする必要がある．
埋土種子を形成する種を明らかにできれば，表土の利用によって保全できる種を特定することができる．
種の再導入は多くの種が欠落した整備地への対策として有効であると考えられる．
圃場整備が行われる前の水田の形状は原地形の等高線に沿った形であり，区画規模は小さい．
また，農道があまり整備されていない．
非整備地での農作業の効率は悪いため，農作業の効率を上げる目的で圃場整備が行われる．
圃場整備は，水田の区画規模を大きくするとともに，区画形状を直線的にする．
土木工事共通仕様書（農林水産省の土木工事共通仕様書，kdoboku/，2013.11参照）では圃場整備の工事について表土剥ぎ取り，基盤切盛，畦畔築立，基盤整地，表土戻し，表土整地の順序で行うとされている．
このうち，表土剥ぎ取りおよび表土戻しは，耕地内の表土を扱うものであり，耕地内の表土をそのまま耕地内に使用する．
水田の区画を整形するために基盤切盛では土砂を移動し，その際に畦畔の植生が破壊される．
基盤切盛での土砂は原則として整備地内のものを使用するが，土量が不足する場合には整備地の地区外から土砂を持ち込むことがある．
畦畔を造成する畦畔築立では，原則として基盤土を流用するとされており，耕地内のように工事前の表土をそのまま畦畔に利用するわけではない．
圃場整備の結果，非整備地と整備地の畦畔では，畦畔の間隔・高さ・法長・傾斜角度の点で植生基盤としての構造に違いが生じる．
区画規模が大きくなった整備地では，畦畔と畦畔との間隔が非整備地よりも広くなる．
水田間の高低差が大きくなるため，非整備地よりも畦畔の高さは高くて畦畔法面は長くなり（Mihara1996），畦畔1つの面積は整備地の方が広くなる．
非整備地の畦畔は計算上の安定勾配よりも傾斜が急であるのに対して，整備地の畦畔は安定勾配よりも緩やかである（Mihara1996）．
また，区画形状が直線的になるため斜面方位は一定の方向に揃えられるとともに，斜面の凹凸は少なくなる．
圃場整備によって，土壌環境は非整備地から土壌環境が変化している可能性があるが，淡路島では非整備地と整備地の土壌硬度には差がみられないことが報告されている（松村2009）のみで，他の土壌環境が変化しているかは不明である．
圃場整備の植生への影響整備地での種多様性の減少は，表土の除去という大きな攪乱によって植生が初期化され，その後の植物の侵入・定着が十分に起こっていないためという仮説（初期化仮説，丑丸2012）および圃場整備による資源環境の変化によって植物の定着や生育が阻害されているという仮説（資源環境変化仮説，丑丸2012）がある．
資源環境変化仮説では，土壌条件や水分条件の変化による定着や生育の阻害以外に，草刈り高さの低下による定着や生育の阻害が考えられる．
また，圃場整備によって植生が変化した結果，訪花昆虫が変化することで花粉の媒介が阻害されることも考えられる．
整備地の畦畔法面の特徴は，在来種の出現種数が少なく特定の種が欠落すること，外来種の種数が多くてその被度が高いことである（浅見ほか1998;山口ほか1998;伊藤ほか1999;山戸ほか1999;有田・小林2000;曽根原ほか2003;松村2010;石田ほか2013）．
在来種と外来種を合わせた出現種数は，非整備地の約半分から同程度であると報告されている．
非整備地に多く生育している多年草のうち，アキノタムラソウ，ツリガネニンジン，ノアザミ，ワレモコウなどは整備地の畦畔草原では欠落する傾向にある．
外来種は圃場整備直後で特に多く，ヒメジョオン，オオアレチノギク，シロツメクサ，コヌカグサなどが生育する．
圃場整備直後はメリケンカルカヤ，スギナ，ヨモギ，ギョウギシバ，メヒシバが優占し（松村2010;渡辺ほか2010），5年以上が経過するとチガヤ，ススキ，メリケンカルカヤなどが優占する（Matsumura&Takeda2010;渡辺ほか2010）．
整備地では群落内での単位面積あたりの種多様性が低いだけでなく，地域内でも画一的な群落しか存在しない傾向が報告されており（大窪・前中1995），群落タイプの多様性が低い．
これは，基盤としての畦畔が単純であること，つまり傾斜角度や斜面の方向が画一的で，微小な地形が少ないことが影響している可能性がある．
また，整備地では畦畔と畦畔との間隔が非整備地よりも広い．
そのため，非整備地と比べると種子散布や花粉媒介が制限され，種の移出入や遺伝子流動が非整備地よりも少ない可能性がある．
土地利用の変化によって農業地域でのポリネータの密度や種多様性が変化する（Kleinetal.2007;Steffan-Dewenter&Westphal2008）ように，畦畔の構造の変化以外に生物の相互作用が非整備地の植生に影響を与えている可能性がある．
具体的には，圃場整備の結果としてポリネータが変化することで，整備地における花粉媒介が制限されるために結実率が低下することが考えられる．
畦畔の平坦面でも非整備地は整備地よりも種多様性が高いこと（山口ほか1998）や，圃場整備が行われた地区では畑地や果樹園栽培に付帯する法面で出現種数が減少することが報告されている（小島・勝野2010）．
このように，整備地では畦畔草原の種多様性だけでなく畦畔全体あるいは畦畔の周辺における種多様性や群落の多様性も低い．
そのため，地域全体として草原生の植物の多様性が低いといえる．
表土の再利用と種子供給源の配置圃場整備に対しては，既に圃場整備済みの場合とこれから圃場整備を実施する場合とで対策を分けることができる．
圃場整備がまだ行われていない非整備地では，圃場整備方法の改善として表土の再利用，種子供給源の配置，農業土木的な方法が考えられる．
圃場整備が既に行われた整備地では，種の再導入などが考えられる．
整備地では，非整備地に出現する種の多くが欠落するものの，整備方法の工夫によっては欠落させない，あるいは回復を早める可能性がある．
例えば，整備地にはあまり出現しないとされるコマツナギやネコハギなどの種が整備地に生育していることがあり，圃場整備前の埋土種子や根茎を含む表土の一部が圃場整備に利用された，あるいは圃場整備後に外部から種子が侵入したためだと考えられる（松村2010）．
整備地では非整備地から距離の近いところで在来植物の割合が比較的高く，非整備地が種子供給源になっている可能性が指摘されている（曽根原ほか2003）．
整備方法を圃場整備と災害復旧で比較した結果から，畦畔草原の保全には種子供給源と埋土種子の利用が重要であることが示されている（松村2002）．
また，整備後の年数と非整備地からの距離が異なる整備地を調査した結果では，圃場整備後23年間を経過しても種多様性は回復しないものの，整備地の種多様性は圃場整備後の年数と正の相関が，種子供給源からの距離と負の相関がある（Matsumura&Takeda2010）．
以上から，圃場整備の際に埋土種子を含んだ表土を再利用し，整備地の近くや内部に種子供給源を配置すれば，整備地での種の欠落を最小限にする，あるいは種の回復を早める可能性がある．
表土には長期的な埋土種子だけでなく短期的な埋土種子や植物の根茎を含むため，表土の再利用は圃場整備のように一時的な土地改変では特に有効であると考えられる．
ただし，全ての種が同様に整備地に再定着するかどうかは不明であり，個々の種の特性を明らかにしなければならない．
ススキの植栽実験では，近くに種子供給源がない場合は4年半後でもススキ草原の構成種の侵入は乏しいことが報告されている（大窪1994）．
農地における生物多様性保全への取り組みとして，兵庫県ではため池の改修で表土の再利用などが始まっている（兵庫県2013）．
このような取り組みが今後広がることが期待される．
農業土木的な改善方法圃場整備による影響は大きいが，放棄されて畦畔草原が低木林に遷移して半自然草原ではなくなるよりは，植生の変化は小さいといえる．
例えば，兵庫県北部の但馬地域の非整備地・整備地・放棄地で畦畔草原の種組成を比較した研究では，非整備地と整備地とではチガヤ，コブナグサ，コナスビなど16種の在来種が共通し，非整備地と放棄地とではカキドオシ，ニシノホンモンジスゲ，ミゾシダなど8種の在来種が共通している（石田ほか2013）．
このように，整備地は放棄地よりも非整備地との共通性が高いとはいえ，特定の種群が欠落することから，圃場整備の影響を最小限にする工夫が必要である．
前述の表土の再利用や種子供給源の配置といった植生学的な工夫もあるが，農業土木的な観点からの工夫もある．
具体的には，大規模な圃場整備ではなく「まちなおし」など部分的な改変に留めることで，農作業の効率化と植生の保全を両立できる可能性がある．
まちなおしとは，隣接する2-3枚の水田間の畦畔を取り除いて1枚の水田にすることである．
新しい区画の畦畔には既存の畦畔の一部を再利用するため，畦畔草原の一部はそのまま残る．
単位面積あたりの事業費は圃場整備よりも少ない（佐藤ほか1986）．
農家は水管理を楽にしたく，また畦畔の管理の重労働から解放されたいが，負担金の高い圃場整備は困るので，負担の少ないまちなおしを望んでいるとの報告がある（北浦ほか1986）．
これに対して，自治体の事業担当者は事業費が高くても整形された大区画な圃場整備を計画する傾向にある（佐藤ほか1986）．
これは，一定の基準にだけ従えばよく，地域の地形条件などを細かくは考えずに設計できる，あるいは生物多様性保全上の問題を知らずに通常行われている工法を踏襲しているためであろう．
ところで，農作業の効率が高い圃場の特徴は，面積の大きさだけではなく，作業方向の畦畔が平行で不規則作業が不要であることと区画の長短辺比が大きく面積あたりの回転作業が少ないことである（有田2002）．
この2条件を満たせば，中山間地域でも平野地域と同等の生産性が可能である（有田2002）．
これらの農業の効率化の観点と植生保全の観点とを合わせることで，全体での位置や種の分布からどの畦畔を種子供給源として残すかを検討する必要があるだろう．
外来種対策整備地では外来種の割合が高いことが多く，セイタカアワダチソウのように優占群落をつくる種への対策を考えなければならない．
施肥によって土壌pHが高くかつ有効態リン酸が高くなった環境では外来種は生育しやすく，逆にpHが低くかつ有効態リン酸が低い土壌では外来種の生育が抑制されることが多い（平舘ほか2008）．
このように土壌条件の改良は外来種への対策として効果が高い可能性がある．
土壌中の窒素の施肥によって生産性が増加すると，外来種が増加するだけでなく種多様性は減少して希少種がさらに減少する（Sudingetal.2005）．
また，セイヨウタンポポとカンサイタンポポのように，在来種が近縁の外来種に置き換わっている場合は繁殖干渉の可能性があり，個体の除去よりも花の除去の方が効果的な可能性がある（高倉ほか2012）．
整備地活用の可能性整備地は畦畔の規模が大きいため，畦畔内に草刈り頻度の異なる範囲を意図的に設定することができる．
また，農家は水田への被陰を防ぐために草刈りをするため，植生の保全を意図していなくても，本田からの距離によって草刈り頻度が異なることがある．
その場合，草刈り頻度に応じた植生が成立するため，1つの畦畔内での群落タイプの多様性は高くなる可能性がある．
整備地で本田に近い部分では植生高が低く，本田から遠い部分では植生高が高い畦畔を筆者は観察したことがある．
非整備地では，農家の意図によるものではなく，畦畔の小さな凹凸や原地形の等高線にそった形状による結果として，つまり非意図的に，草刈り頻度や強度が異なる部分が存在する．
しかし，現状では整備地の畦畔草原は単位面積あたりの種多様性が低いため，群落タイプの多様性が高くなっても，全体としての種の豊かさは非整備地よりは小さい．
ただし，圃場整備の際に表土の再利用や種子供給源の配置を行う，あるいは前述したように整備地への種の再導入を行なうことで，種の欠落を少なくして単位面積当たりの種多様性を高くすることが出来れば，畦畔の群落タイプの多様性を高くすることの長所を活かすことができるだろう．
畦畔草原における植生調査では，不定の面積で行うものと一定の面積で行うものがある（表2）．
種多様性を直接比較するには，調査面積を一定にしなければならず，一般的に草原では1m2未満から数m2程度の調査枠を設置することが多い．
服部・南山編（2010）は，ススキやチガヤなどが優占する高茎草原では，5m2の調査枠を設定することが望ましいとしている．
畦畔草原の既存調査の調査枠は0.25m2から10m2まであるが，最も多いものは1m2である．
1m2を超える広い面積の調査が少ないのは，種多様性が高いため広い面積の調査には時間がかかることや，細長い線状の形状による調査枠の設置のしにくさによると考えられる．
大きな調査枠の調査結果を事後に小さな調査枠に分割することはできない．
これに対して，連続した小さな調査枠の調査結果は事後に大きな調査枠として扱うことは可能である．
調査面積の大きさに依存しない方法として，種の出現速度がある値（α）になるときの種数（Sα）による比較があり（板野ほか2009），小さな面積の調査枠を複数設置しておけば，Sαを算出できる．
ただし，合計の面積が同じであっても連続した1つの調査枠と不連続の複数の調査枠とでは，出現種数が異なる可能性がある．
そのため，厳密には連続した調査枠でなければ調査枠の統合はできないが，1つの畦畔の少し離れた場所で数箇所を調査することで擬似的にSαを算出することが可能である．
大きな調査枠よりも，小さな調査枠ではこのような利点があるが，同じ面積の調査にはより長い時間がかかるという欠点がある．
畦畔草原や河川堤防法面のチガヤが優占する半自然草原には春季相と秋季相があり，春季相にはカスマグサ，オランダミミナグサ，タチイヌノフグリなどの冬型一年草が，秋季相にはエノキグサ，メヒシバ，キンエノコロなどの夏型一年草が多く出現する（浅見ほか1998;山戸ほか1999）．
植物相を把握するには年に5-6回以上，最低でも春と秋の両方を調査することが欠かせないが，群落の種多様性の評価には種多様性が高い時期に調査するのが望ましい．
出現種数と種多様性は5月および10-11月に最も高い（林・冨永2005）．
1時期しか調査できない場合は，地域の状況に応じて春あるいは秋に調査することが望ましいと考えられる．
春の田植え時期以降では調査の足場がなく，秋は稲刈り前後の草刈りから畦畔の植物が十分に成長していないため，一長一短がある．
畦畔には草原生植物以外に，つる植物や低木など林縁や林内に生育する種も出現する．
畦畔の保全で重要なのは草原生植物の保全であるが，どの種を草原生植物とみなすかは研究によって異なる．
例えば，地域の植物誌（神奈川県植物誌調査会編2001;千葉県史料研究財団編2003）を参照して草原生植物を決定したとする研究（伊藤・加藤2007）や宮脇ほか編（1978）のススキクラス標徴種を草原生植物とした研究（山田2011）があり，そもそも参考にしている文献は統一されていない．
また，「改訂版日本植生便覧」（宮脇ほか編1983）のススキクラス標徴種を草原生植物とした研究（山戸ほか1999）や「改訂新版日本植生便覧」（宮脇ほか編1994）のススキオーダー標徴種を草原生植物とした研究（北川ほか2006）があるなど，一連の書籍を参照していたとしても，どの種を草原生植物とするかは異なることがある．
このように，草原生植物の範囲は研究者によって大きく異なるのが現状である．
金子ほか（2009）ではどの種を草原生植物としたかを具体的に明示しているが，明示していない研究の方が多い．
このように草原生植物の範囲が大きく異なり，また明示されることが少なければ，畦畔草原に関する研究が蓄積されたとしても，草原生植物の種組成や種多様性を地域間で比較することは難しい．
照葉樹林構成種（服部・南山2001;Hattorietal.2004）や海岸植物（澤田ほか2007）のように，草原生植物について便宜的なリストを作成・公表・使用すれば，地域間での比較研究が進むと考えられる．
過去の畦畔草原植生の状況を示す情報は残されている可能性があり，これを収集および解析することが必要である．
畦畔草原は1990年代以前での研究が見当たらない．
古い情報は定性的なものが多いとはいえ，「畦畔の歴史」で述べたように古地図，絵図，過去の文献・写真によって明らかにできる可能性がある．
畦畔のみが対象でなくても，地域の植生誌や植物誌などの植生調査資料に畦畔草原の資料が含まれる可能性がある．
これらの中には量的なデータが残されている可能性がある．
現在の畦畔草原も時間が経過することで過去のものになる．
特に耕作放棄や圃場整備による変化が著しい畦畔草原では，現状の記録と把握が急務である．
畦畔草原を研究対象とする研究者は少ないが，身近な植生であるため調査が可能な研究者は比較的多いと考えられる．
また，卒業論文レベルであっても調査が可能である．
さらに，市民による調査を広げることで，より多くの情報を得ることができる．
厳密な調査が望ましいが，ヨーロッパで既に行われているように指標となる特定の種の有無であれば市民でも可能であろう（Wittigetal.2006）．
携帯端末やウェブを活用した調査も可能である（大澤ほか2013）．
また，日本で既に失われた植生であっても，似たものが国外に残っている可能性がある．
特に気候や土地利用が類似した韓国をはじめとしたアジアでの調査が期待される．
今後，保全手法の確立には播種や草刈りの頻度・方法・時期などに関する実験的な調査・研究が必要である．
畦畔草原の生物多様性をこれまで担ってきたのは農家である．
実験や調査においては，研究者は農家との良好な関係を結ぶことが重要である．
耕作地に対する農家の意向は，保全の方向性に強く影響を与えるため，農家の意向・傾向を把握することも重要な課題である．
調査・研究の成果が農家にも利益をもたらす，あるいは農家が共感できる内容であるならば，さらに今後の保全につながるだろう．
また，研究者が農村社会に実際に入り込んだり，長期に付き合いを継続することで心理的な距離を近づけることも，農家との良好な関係には必要である．
畦畔植生と同じように過去から引き継がれてきた半自然草原として，スキー場のコース（Kubota&Shimano2010），ゴルフ場のラフ，都会に残された草原，墓地周辺の法面，道路・河川・鉄道の法面，電波塔周辺の草原などがある．
これらの一部には，絶滅危惧植物が生育したり，種多様性の高い半自然草原が残っていることがある．
これらの草原には畦畔草原とは異なる社会的要因がはたらくため，畦畔草原で変質や衰退が進行していても，必ずしも同じタイミングで影響を受けるわけでない．
その結果，これらの多様な土地利用のもとに成立している草原は，草原保全の場として，また草原再生のソースとして活用できる可能性がある．
畦畔草原を保全することも重要であるが，多様な土地利用や立地の中に生物多様性の高い半自然草原を見つけ出し，調査・研究を行うことで草原生生物の保全のための総合的な計画へとつなげていけるだろう．
